~ワイン概論~

【著名人】

 

・ゲイリュサック → アルコール発酵の化学式を提唱した人物。

 

・パストゥール → 酵母による発酵メカニズムを解明した人物。


【ワインのタイプ】

 

・Still Wine (スティルワイン) → ガス圧1気圧未満。

 

 ・Sparkling Wine (スパークリングワイン) → ガス圧3気圧以上。

 

・Fortified Wine (フォーティファイドワイン) → アルコール添加 (酒精強化)。

 

・Flavored Wine (フレーヴァードワイン) / Aromatized Wine (アロマタイズドワイン) → ワインベースの混成酒。


【スパークリングワインのタイプ】

 

・瓶内二次発酵 → スティルワインに、糖と酵母を加えて、瓶詰めし、密閉することによって二酸化炭素を瓶内で生成させる。

(メトード・トラディショネル [フランス]、スプマンテ・クラシコ / メトード・クラシコ [イタリア]、カバ [スペイン]、フラッシェンゲールング [ドイツ])

 

・シャルマ方式 / キュヴェ・クローズ → 大きなタンクで二次発酵を行う。コスト削減。

(Asti [イタリア]、Sekt [ドイツ] など)

 

・トランスファー方法 → 瓶内二次発酵後タンクに移し、澱引き後新たに瓶に詰める。

 

・メトード・アンセストラル → 伝統方法。

 

・メトード・リュラル → 田舎方法。

 

・炭酸ガス注入方式


【ブドウ果粒中の特徴】

 

・果皮 → 最も色素を多く含む。

 

・果皮の内側 → 最も糖度が高い。

 

・種 → 最もポリフェノールを多く含む。

 

・種の間 → 最も酸が高い。


【ワイン酵母の学名】

 

サッカロミセス・セレヴィシエ


【ブドウ由来の酸 / 発酵によって生成される酸】

 

・ブドウ由来の酸 → 酒石酸、リンゴ酸、クエン酸

 

・発酵によって生成される酸 → コハク酸、乳酸、酢酸

 

(・貴腐ワインに含まれる酸 → グルコン酸、ガラクチュロン酸)


【ブドウ栽培に適する条件】

 

・年間平均温度 → 10 ~ 16℃

 

・日照時間 → 生育期間で1,000 ~ 1,500時間

 

・年間降雨量 → 500 ~ 900mm

 

・栽培地域 → 北緯30 ~ 50度、南緯30 ~ 50度

 

・土壌 → 水はけのよい土地

 

・地勢 → 南向きの斜面 (南半球は北向きの斜面)


【ブドウの生育サイクル】

 

デブールマン (萌芽) → フイエゾン (展葉) → フロレゾン (開花) → ヌエゾン (結実) → ヴェレゾン (色付き) → マチュリテ (成熟)


【グレート・ヴィンテージの条件】

 

・開花時期は暖かく、短期間で開花が終了。

 

・夏までの間、ぶどうの粒が大きく育ち過ぎない程度の栄養と水分が供給される。

 

・色付きの直前は水分が少なく、樹木の生長がない。

 

・収穫までは葉に十分な栄養と日射量があり、ブドウが完全に成熟。

 

・雨によるブドウ果粒の水膨れや病害が起こらず、完熟したブドウになる。


【仕立て方法】

 

・垣根仕立て (ギュヨ・サンプル、ギュヨ・ドゥーブル、コルドン) → 世界で広く行われている方法。平地やなだらかな斜面で機会の導入も容易な方法。

 

・棒仕立て (モーゼル) → 急斜面のドイツ、スイスなどで行われている。

 

・株仕立て (ゴブレ) → Bush (ブッシュ) とも呼ばれる。南フランス、ローヌ川沿いの大きな石が多い畑で行われている。

 

・棚仕立て (トレリス、トレイユ) → 多湿な気候で風通りをよくして病害を防ぐ (日本、スペイン大西洋沿岸、ポルトガル北部)。日射量の多い地域で、ブドウの実に直射日光が当たらないように、上層部の葉で日陰をつくる (イタリア南部、スペイン、ニューワールドの一部)。テンドーネ、ペルゴアとも呼ばれる。


【ブドウの病害虫】

 

・オイディウム → ウドンコ病。対応策:硫黄散布。発生年:1855 ~ 1856年。

 

・ミルデュ → ベト病。対応策:ボルドー液散布。発生年:1878 ~ 1880年。

 

・プリチュール・グリーズ → 灰色カビ病。対応策:イプロジオン水和剤散布。

 

・ボトリティス・シネレア → 灰色カビ病の原因菌であり、貴腐ブドウの原因菌でもある。

 

・ライプ・ロット → 晩腐病。対応策:ベンレート水和剤散布。(日本の病害被害中最大)

 

・フィロキセラ → 対応策:接木。発生年:1863年 ~ 19世紀末。

 

・ウイルスによる病害 → ブドウリーフロール (葉巻病)、フレック、コーキーバーク。対応策:ウイルスフリー苗木への植え替え。

 

・細菌による病害 → ピアス病。対応策:植え替え。


【ブドウの生理障害】

 

・花振るい (クリュール) → 受粉・結実が悪く、果粒が極めて多く落下し、果房につく果粒が極端に少なくなること。

 

・結実不良 (ミルランダージュ) → 開花期の多雨や低温などによって、種ができず実も小さくなる現象。


【ブドウの種】

 

ヴィティス・ヴィニフェラ → ヨーロッパ系ブドウ品種。

 

・ヴィティス・ラブルスカ → アメリカ系生食用ブドウ品種。

 

・ヴィティス・ベルダンディエリ → アメリカ系台木用ブドウ品種。

 

・ヴィティス・リパリア → アメリカ系台木用ブドウ品種。

 

・ヴィティス・ルペストリス → アメリカ系台木用ブドウ品種。

 

・ヴィティス・アムレンシス → アジア系ブドウ品種。


【ワイン醸造】

 

・エグラパージュ → 除梗。

 

・フーラージュ → 破砕。

 

・亜硫酸 (SO2) 添加 → 果汁の酸化防止、有害微生物の育成を阻止し健全な発酵を促す、酸化酵素の抑制、果汁の清澄化を補助、赤色色素の溶出を助ける。

 

 

 

『赤ワイン』

 

・コールド・マセレーション → 破砕の後、発酵前に低温で数時間から数日間浸漬する方法。色素の抽出を促進し、タンニンがソフトになる効果がある。

 

・シャプタリザシオン → 補糖。

 

・マセラシオン → 果皮浸潰。かもし。

 

・ピジャージュ → 櫂棒などで果帽を突き崩し、液体中に沈める方法。

 

・ルモンタージュ → タンク下から液体を抜いて、果帽の上からふりかける方法。

 

・ウイヤージュ → 補填。

 

・スティラージュ → 澱引き。

 

・コラージュ → 清澄。

 

・コラージュのための清澄剤 → ゼラチン、卵白、タンニン (赤)。ベントナイト、カゼイン (白)。

 

・マセラシオン・カルボニック (MC) → 炭酸ガス浸漬法。黒ブドウを除梗も破砕もせず、房ごと密閉タンクに投入し、炭酸ガス気流中に数日置く方法。

 

・マセラシオン・ア・ショー → 黒ブドウを摂氏80度の蒸気で30分加熱し、色素抽出を重点的に行う醸造方法。

 

・ミクロ・オキシジェナシオン → 発酵中、あるいは貯蔵中のワインに酸素の微泡を吹き込み、酸化を促す方法。

 

 

 

『白ワイン』

 

・スキン・コンタクト (マセラシオン・ペリキュレール) → 破砕後、圧搾の前に果皮と果汁を一緒に数時間から24時間程10℃ ~ 20℃で浸漬し、香りなどの果皮成分を抽出する方法。

 

・デブルバージュ → 果汁を低温で静置し、不純物を沈殿させ除去する作業。

 

・コールド・ファーメンテーション → 低温発酵。10℃ ~ 15℃でゆっくり発酵させることで、フレッシュでフルーティーなスタイルのワインになる。また、低温での発酵は、雑菌を抑えることができる。

 

・バレル・ファーメンテーション → 樽発酵。樽材由来の香味成分をワインに取り込むとともに、調和のとれた複雑な風味を得るために行われる方法。

 

・バトナージュ → 樽、タンク内の澱を定期的に撹拌する作業。澱や酵母に含まれる旨味成分を抽出し、酸化を促す。

 

・シュール・リー → 発酵後、澱を取り除かずにそのまま春まで放置し、上澄みだけを瓶詰めする方法。若々しく、フルーティーで爽やかなワインを造る。

 

・スタビリザシオン → 酒石安定化法。酒石酸の結晶を取り除くために、ワインをー4℃ ~ ー5℃で約5 ~ 7日間タンク中で冷却する作業。

 

 

 

『ロゼワイン』

 

・セニエ法 → 血抜き法。赤ワイン同様に醸造を開始し、アルコール発酵中ほどよく色づいたタイミングで液体を抜き取り、発酵を継続させる方法。


【ワイン・ブドウの生産量など】

 

・世界のワイン生産量 → 約2.74億hL

 

・世界のワイン消費量 → 約2.40億hL

 

・世界のブドウ生産量 → 約7,570万t

 

・世界のブドウ栽培面積 → 約751万ha

 

※O.I.V (国際ブドウ・ブドウ酒機構) の資料を参考。


【国別ワイン生産量 (2015年予想)】

 

・1位 イタリア

 

・2位 フランス

 

・3位 スペイン

 

・4位 アメリカ

 

・5位 アルゼンチン

 

・6位 中国

 

・7位 オーストラリア

 

・8位 チリ

 

・9位 南アフリカ

 

・10位 ドイツ