よくテレビやインターネット上で、「○○という成分はアンチエイジング効果がある!」「この○○という成分を摂取すると健康になれる!」「このサプリメントを飲むだけで瘦せられる!」などよく目にしますが、その情報は本当に “正しい” のでしょうか?
“正しい” とは、たまたまその効果が現れたのではなく、何度繰り返しても、そして誰が試しても同様にその効果が現れる『信頼できるデータ』であるということです。
残念ながら、ちゃんと論文として出ているからといって、必ずしもそれが信頼できるデータとは限りません。色々な論文を読んでいると、「これって別の解釈もできるよね?」「ちょっとデータの解釈が無理やりすぎじゃない?」と思うようなものもしばしば見かけます・・・・・・ (-_-;)
では、信頼できるデータ、すなわち、“しっかりとしたエビデンス” とは具体的にどういったものでしょうか?
ある成分もしくは食品の健康効果を調べる方法として、主に “2つの手法” があげられます。
一つは、『ランダム化比較試験』であり、もう一つは『観察研究』です。
それぞれの説明を以下に記述します。
◆ ランダム化比較試験
→ 研究対象となる人を、ランダムに2つのグループに分けます。その際、その2つのグループ間で差が出ないようにします。そして、片方のグループだけに健康に良いと予想される成分もしくは食品を摂取してもらい、もう一方のグループには摂取しないでもらう方法です。分けた2つのグループは、その成分もしくは食品を摂取しているかどうか以外の全ての点においてほとんど同じ条件であると考えられるため、食品の健康に対する効果を正しく評価することができます。
◆ 観察研究
→ ある集団における食事に関するデータを集めてきて、特定の成分もしくは食品をたくさん摂取しているグループと、あまり摂取していないグループを見つけて分析します。何年後かに、この2つのグループのそれぞれで、病気になっていたり、死亡していたりする割合を評価します。ここで注意しないといけないのが、ある成分もしくはある食品をたくさん摂取している人は、その他の食事、運動習慣、健康に対する意識なども違う可能性があるため (多くの研究では統計的な手法を用いてそれら他の要因の影響を取り除いていますが、すべて取り除けているとは限りません)、本当にその成分もしくは食品だけの影響を評価できているのかどうか実際は怪しいという点です。ですので、観察研究は、一般的にランダム化比較試験と比べるとエビデンスが弱い研究手法と言えるでしょう。
そして、最も信頼できるエビデンスとして、【メタアナリシス】という研究手法があげられます。
“メタアナリシス” とは、複数のランダム化比較試験の結果をまとめた研究手法であるため、かなりデータの信頼性が高いと言えます。
このように、用いた研究手法によって、データの信頼度が異なってくるのです!
まとめると、『テレビやインターネット上で見聞きする情報を単に鵜吞みにするのではなく、その情報のソースは一体何からで、どういった研究手法を用いて導き出された結果なのかを常に意識しておくことが、この情報化社会で騙されず生きていくためには重要なのではないかと思っています。』
最後まで読んでいただき、ありがとうございました (^^)/♪
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