私の【ワイン愛】は、飲むだけにとどまらず、"ワイン関連の本" にも手が伸びてきました。
こちらの本、けっこう探し回りました・・・・・ (^_^;)
『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン / 著者:Paul Torday (ポール・トーディ)、翻訳:小竹由美子』白水社
です。
こちらの本、ワイン好きでない方にもオススメです!
ワインに詳しくなくても、全然楽しめます (^^)♪
内容の構成が素晴らしいと思いました。
物語は、4つの "ヴィンテージ (年代)" に分けられて書かれています。
最初は "2006年"、その後 "2004年"、"2003年"、"2002年" と遡っていく形で、物語は進んで行きます。
※ここから先は、少しだけネタバレ?になってしまいます。
"2006年" のパートを読むと、主人公のウィルバーフォース氏は、もうお先真っ暗、救いようのない人生・・・・・という印象を受けます。
なぜ、このような人生になったのかが、その後、年代を遡るにつれて少しずつ明らかになっていきます。
最初の "2006年" のパートでは、"先の見えないお先真っ暗な人生" というひどい印象を受けましたが、最後の "2002年" のパート (特にラスト) では、"希望に満ち溢れ、とても輝かしい未来がこれから待っているに違いない" という印象を受けます。
しかし、最初の "2006年" のパートで、彼の "暗い未来" を見せつけられているため、ラストがあまりにも "輝かしい未来" を想像させるからこそ、何とも言えない悲しい気持ちにさせられるという "不思議な (変な) 感覚" を与えられました。
この物語の構成には、感嘆させられましたね~~~~ (^_^;)
まさに、【ワイン】のような物語です。
ワインのボトルも、コルクを抜く (蓋を開ける) と花開き、その後、空気に長く触れると次第に酸化によって劣化が進んで行きます。
主人公のウィルバーフォース氏の人生も、コルクが抜かれ、花が開きますが、段々と酸化されて劣化が起こる、そういった感じです。
しかし、コルクを抜か (蓋を開け) なければ、ウィルバーフォース氏の人生は日々坦々と進んでいくだけだったかもしれません。
コルクを抜いた (蓋を開けた) からこそ、終わりは悲惨だったかもしれないけれども、一瞬でも美しく大きな花を咲かせることが出来たのではないかな、と思いました。
とにかく、非常によく出来てるな~~と思いました。
気になった方は、是非、読んでみて下さい (^^)/!!
↓【ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン / ポール・トーディ (著)】です。
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